HOME>ジェルネイル虎の巻>ジェルネイルでの病気とトラブル>アセトンフリーのネイル
アセトンをほぼ原液のまま、ジェルを溶かして取り除くための溶剤として使用します。
どういう薬品かということは、各アセトン製造メーカーが国に提出する資料であるMSDS(化学物質安全性データシート)で読むことができます。
長く、学術的でしたので要約しますと
×素手では使用しないように
×すぐ揮発して吸ってしまうので、使用した部屋にいないように
ということになります。具体的にいうと
●目に対する重篤な損傷
●生殖毒性(子宮)
●気道と呼吸器への有害性
●胎児への悪影響
●反復使用で臓器や血液への障害
●素手では使用せず、保護手袋、保護めがね、保護面をすること
●皮膚に付着した場合は多量の水と石鹸で洗うこと
●衣服に付着した場合は速やかに脱ぐこと
●揮発物を吸引しないこと
と書かれています。
健康に問題があるということは、爪に良いわけもありません。爪も体の一部です。使用して目や指がしみるなどの刺激を感じない場合が多く油断してしまい繰り返し使い続けてしまいます。口にするものと違って自然の防衛本能が働かないのが化学物質の恐ろしい面です。
しかし確実に体内に蓄積し、健康を徐々に害することが分かっています。後になって健康被害を受けたことが分かってからでは手遅れです。アセトンは皮脂をとかし、真皮を通過し皮下組織に吸収されてしまいます。人体組織と馴染みやすい成分のようです。
特に妊娠の予定がある方は注意下さい。子宮は化学物質などが蓄積されやすい臓器だからです。
ネイリストは腰痛になって辞める方も結構多いですが、関節ではなく内臓の問題である可能性が高いと考えています。なぜ健康を損なうのかを考えると、注意するのに越したことはありません。
発がん性について
原因として証明されていませんし、同時に安全という証明もされていません。そもそも、ガンは発見されるまでに10年以上かかり、その間の生活習慣が個人ごとに違うため、特定の物質で因果関係を証明するのは、実験の規模が大きくなりすぎ国家レベルの研究を行う位でないと不可能と言われています。ちなみに、たばこでの発がん性を調べるのも膨大なコストと長い年月をかけて行われました。科学的に医学的に証明するということは、個人の体験と異なり大掛かりなこととなります。
私自身も、ジェルネイルを始めてアセトンオフを行うようになってからは爪が大変弱くなり一切伸ばせなくなくなってしまいました。いつも深爪ぎりぎりの短さに裂けてしまうのです。長くするためにはスカルプしないとなりませんでした。あるとき、アセトンの危険性を知り、使用しない実験を始めてみました。すると爪がはっきりと丈夫になったのです。それがきっかけで、ジェルネイル施術時に使用するいろいろな器材を全部見直し、オーガニックメソッドの研究が進んでいきました。その結果、現在は自分の爪をいくらでも伸ばせるようになり、とうとうスカルプは不要となり、多くの方に感動して頂いております。使わないという事は爪のみならず、吸い込まないし皮膚からも吸収しないわけですから健康にも明らかに良いのです。
結果が、とてもはっきりしていたのでアセトンの使用を制限することにしたのです。
発がん性があるなどと発表されたり、法律などで禁止などされることになったら、もう遅すぎると考えています。今のうちから気をつけたい人のためにオーガニックメソッドがあるのです。
現在、ほとんどのネイルサロンはソフトジェルを使用し、ネイル交換の時はアセトンで完全にオフしてから新たにジェルを塗っていきます。
ソフトジェルが出る以前は、削ってネイルをオフしていました。
アクリルやハードジェルが主流だった頃はアセトンで溶けないものも多く、ほかに方法はありませんでした。
削るのは技術力が必要です。もし技術力の足りない人が行うと爪まで削ってしまい、爪を傷め、挙句に時間もかかります。
技術は経験を積まないと得られないものです。ところが、そこにアセトンという溶剤で溶けるソフトジェルがでてきたので、ネイルサロンは一気にそれらを取り入れ始めました。
ソフトジェルとアセトンオフの組合せが現在の主流となったのです。
メリットは
これは、サロン経営にとって魅力的な事です。サロン経営に必ず付いてくるのは有能なネイリストを採用することなのですが、技術力を問いすぎると採用は大変難しくなります。技術が不要であればネイリストの採用という経営の根幹となる求人が楽になるわけです。
ところが・・・問題があります。
アセトンという化学溶剤は危険性があるため、実は国の法律で使用量などが制限されています。プラスチックや塗料などを溶かす溶剤で、揮発性が大変高く、それを吸わないように、使用する場所の換気についても指示が出されています。
でもネイルサロンで使用する量は、業務用としては多い方ではないため、法的に規制されない範囲に収まっており、事実上、無法地帯となっています。法的に規制がないので、そのことを注意する義務が誰にもないというのが無法地帯ということです。
有害なものであっても量が少なければ問題ないのか?
これは使用者の価値観により考え方に開きが出てくる部分です。
マックスオーガニックネイルスクールのオーガニックメソッドでは、薬品で溶かしてオフする方法を止めることに致しました。
ジェルはマニキュアのように拭いただけで簡単に取れるわけではなく、時間をおかないと溶けません。ジェルネイルは持ちが良いメリットがある分、取るのも大変なのです。
溶けやすさはジェルのタイプにもよりますが、早い物でも10分位パックしないと溶けません。すぐ揮発してしまうので、アルミホイルを巻いて揮発しないように密閉してパックしないとなりません。その時、アセトンはサラサラの液体なのでジェルのまわりの皮膚やツメにも流れてしまうのです。
時短を目指したジェルネイルの施術で
1)持ちが良くなるために行うことと、
2)オフするために行うこと
このやり方を正しく行わないと爪を傷めてしまうだけでなく健康被害も心配されることとなるのです。
オーガニックメソッドで重要視しているのは、人の「健康にも良くない」ということです。
「爪を削るのはとにかく良くない。」
このように考えておられる方が大変多いと思います。しかし上手な技術者が削るなら問題はありません。経験数が足りない、あるいは技術力が足りないという方が施術するために問題が起こるのです。
マックスオーガニックネイルスタジオの施術のお客様は、ほとんどの方が長くリピート下さっているお客様です。
そんなお客様の一人からメールをいただきました。
「しばらくネイルをお休みしたいので次回はオフだけでお願いします」
これは、何かご不満でもあったのでしょうか?と、内心あせりました。
そして、当日。
いつも通り楽しくおしゃべりし、アセトンを使用しない丁寧な完全オフをさせていただきました。
結局、理由を聞く勇気がなく、長らくリピート下さっていたお客様だったので、なんとも言えず、ちょっと寂しく思いました。
それから約1ヶ月。またメールを頂いたのです。
やっぱり、ネイルなしの日々は寂しいので予約をお願いします。と。
いつも、シンプルで上品なデザインを好まれる可愛いOLさんです。
施術の時、伺ってみたのでした。
「あの、、、お休みされた時の理由と、またお越しくださった理由を伺っても良いですか?」
「もちろん良いですよ。マックスさんではアセトンを使用しないのは良いのですが、オフのとき毎回削るので、自爪がどうなっているのか気になって中を見てみたかったんです。」
とのことでした。なるほど。お客様はそんなふうに考えられていたのですね。
そして今回、オフ後、爪を切らないまま約1ヶ月位をお過ごしになり、とても健康に伸びた爪でお越し下さったのでした。伸ばされてた部分を結構短くしてから施術させていただいたのが上記の写真です。
削るといっても、ジェルしか削らない技術であることを改めて実感いただけ、爪は痛んでおらず、やっぱりオーガニックメソッドのネイルは爪に良いのがお分かりいただけた、という嬉しい結論でした。そして、美しい爪に見慣れていたので、何もしない爪がとても寂しかった。
とのことでした。
(オフすると爪がボロボロになるという方多いですが、オーガニックメソッドの技術があるととても優しい施術で持ちも良く美しいのです)
そういうことだったのですね。
ほっとしました。
また帰って来て下さり嬉しかったです。
普段から自信をもって行っているジェルネイル技術ですが、改めてお客様から言って頂けると新たな自信につながります。